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開成高校に残したメモリーズオフ2ndの思い出:試験の解答用紙に南つばめと白河ほたるを書いた

さっき書いた肩をすくめる動作とニューヨーク的な忙しさについてCSI科学捜査班から考えるにドラマやアニメの話がたくさん出ました。私は今や海外のドラマに関してかなり知識を持っていますが、昔はそうじゃなくて、たぶんオタクだった。

今の私はオタクかっていうと、たぶんオタクじゃない。わからん。じゃあ学生のときはどうだったかっていうと、たぶんオタクだった。たぶんではないかな、間違いなくかな。

「おいおいサブカルチャー自慢か?」

と思う人はいないと思うけど、サブカル博士になるつもりはまったくなかったし、なるつもりもない。高校一年生からの三年間で飲みこんだ作品はおそらく数百はあるけど、これはベタな思春期の葛藤が原因となっています。

いじめとか、東大に行かないと家から追放される恐怖とか、アイデンティティーの確立とか、成績とか哲学とかいろいろ。

思春期の葛藤からオタクへの道に入るきっかけがうまく思いだせない。中学三年生のときの「エヴァンゲリオン」が始まりだったかも。いやそれは違うか。エヴァンゲリオンは中学生の脳には理解できず、確か途中で見なくなった記憶がある。

中学の理科実験室で「Air」の主題歌「鳥の詩」を勧められて、その日のうちに秋葉原のアニメイトでCDを買ったのがその道のきっかけかもしれない。ひょっとしたら三年生の冬にたまたま読んだ山岸凉子の「日出処の天子」か? いやこれは違うか…。

どうしてこういう赤裸々な告白を今しているかというと、もはやそんなことは気にならなくなったからです。そして、懐かしい記憶をたどるのは面白いのです。

一方で私は三島由紀夫に凝っていて、運動会用の自己紹介には、尊敬する人に三島由紀夫って書いた記憶がある。この三島由紀夫という作家はマッチョイズムというか、男らしさへの憧れが強い。私は三島由紀夫と同じで、まさに仮面の告白に出てくる少年期の三島由紀夫と同じく、ひ弱で色白なのです。今もそうですけど。だから電車でよく痴漢されました。

男らしくなりたいという葛藤があった。だが無理。食べても太らないし、無駄に色白で、体力がまったくない。今でも好きな俳優は阿部寛ですが、要するに男らしさに憧れがある。男らしさに憧れるのに無理とわかっている少年は、たいてい、アイデンティティーを認めてくれるなにかを欲する。

そうして私はある日、メモリーズオフという作品に会うわけです。このゲームは高く、金も時間もなかった私はファミ通文庫から出ているメモリーズオフシリーズをほとんど買って、何回も読んだのであります。確かなにかグッズもアニメイトかどこかで買ったような気がする。

メモリーズオフ2ndという作品を読んでいる頃、私はファミ通文庫でEver17とか夏色の砂時計とか、とにかくいろんなゲーム作品を読んでいました。このメモリーズオフ2ndには女性の先生がいます。今調べたら南つばめでした。恐ろしく昔なので名前は忘れていた。

私は南つばめの顔を描くのにずっとハマっていました。尋常じゃなく。南つばめ、で検索するとすぐ出てきますが、髪の毛が横にちょこんとついてて、とても特徴的です。そこで怖いもの知らずの私は、期末試験中、この南つばめの顔を解答用紙に書きました。

南つばめの他に白河ほたるというキャラクターがいます。私はずっと南つばめと白河ほたるという二人にはまっていたので、解答用紙に確か白河ほたるって文字を書きました。で、試験が終わる前に南つばめの似顔絵だけ消して、白河ほたるの文字はなんとなく消さなかった記憶がある。

ずいぶん恥ずかしい過去です。しかし長年いろんなことを記事にしてきた私はもはや恥を感じなくなっている。それにしても、メモリーズオフの物語を完全に忘れてしまった。どんな話だったんだろう。気になって仕事ができない。

………

人生はいろいろな経験のつみかさねだけど、この頃の経験は良かったと思っています。社会人になってから刑事コロンボやCSI、トレーラーパークといった外国の作品も見ましたが、高校生から大学生のときに触れた作品たちもまた人生に影響しています。昔をふりかえるのは面白い。

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