ジミー・カーター政権下のインフレーションと不況は今と似ている:パウエルはたぶん第二のポール・ボルカーになる

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ピークは Mar 1980 の 14.8 で、レーガン政権とまさに桁違い。レーガンのとき、アメリカはだいたい 3-4% で推移している。カーター政権は 1950 以降最大のインフレーションが起きた。1979 の石油危機が最大の原因。

この記事はジミー・カーター時代のインフレーションと不況に関する個人的なメモです。

ジミー・カーター
20 January 1977 - 20 January 1981

1960 から 2022 までのインフレーション

TradingView より。この記事はすべて TradingView のデータを参考にしている。

ピークは Mar 1980 の 14.8 で、レーガン政権とまさに桁違い。レーガンのとき、アメリカはだいたい 3-4% で推移している。カーター政権は 1950 以降最大のインフレーションが起きた。1979 の石油危機が最大の原因。

インフレーションをおさえようと Paul Volcker ポール・ボルカーは FF を上げたが、経済は混乱して不況になった。が、S&P500 はそこまで下がっていない。

カーター政権は株式投資の歴史で最も有名かもしれない。それは株でなく金が優勢だったから。

これをコモディティースーパーサイクルという。1979 石油危機によりアメリカは極端なインフレーションが起きた。ドル紙幣の価値が大きく減ったことで、投資家はコモディティーをいっせいに買った。

カーターが就任してから、金は 7 倍、銀は 10 倍ほど上昇した。ピークはどちらも 1980 のはじめで、その数ヵ月には半分以下になっている。

今年もすでにコモディティー相場は始まっています。あと数ヵ月はコモディティー中心の相場だけど、どこが原油や小麦のピークになるかわからない。ウクライナの危機や世界的なインフレーション、そしてパウエルの政策によってコモディティーの価格は変わる。

パウエルとボルカー

今ソーシャルメディアにいるトレーダーたちは毎日ボルカーとパウエルを比較している。「パウエルはバイデンをカーターのようにするのか?」「パウエルはポール・ボルカーのようにとことん金利を上げていくのか?」「パウエルは俺たちの友だちじゃなかったのか?」と多くの人が絶望している。

カーターとボルカーの努力はレーガン政権で結実します。私にはレーガンがおいしいところをもっていったように見えます。ボルカーから Alan Greenspan になって数ヵ月後に私はこの世に生まれました。

ボルカーを支持するパウエルは多くの経済学者に支持されています。それはつまるところインフレーションをおさえるには金利を上げるしかないから。

Inflation, consumer prices for the United States - Federal Reserve Bank of St. Louis

ここでソーシャルメディアのトレーダーたちは吠えます。

ポール・ボルカーの政策によってアメリカの経済はどれだけ傷ついたか?

こういう声が大きくなっていることに私は正直いらついています。一部の有名な評論家たちは

パウエルもイエレンもなにもわからない。「経済へのダメージはないよ、たぶん」なんて言われて「はい、そうですか」なんて考えるわけねーだろ!

とブチ切れている。私は、パウエルはボルカーを意識していると思っています。もしそうならバイデンはカーターのようになる。パウエルはドル紙幣を印刷しまくっていた時代のパウエルでなく、かなり強気です。「インフレーションは一時的」という過去の判断はすでに無視しています。

今年のリスク

アメリカ、ヨーロッパ、日本はそれぞれ微妙に違ったリスクをもっている。これらのリスクはそれぞれの地域で経済恐慌を起こすに十分で、最もリスクが大きいのはアメリカ。

アメリカは

  • 不動産の末期的なバブル
  • 株式のバブル(はやや解消された?)
  • 消費者の債務残高
  • 教育ローンの残高
  • 歴史的なインフレーション
  • エネルギー価格の高騰
  • 半導体の供給不足
  • 金利上昇
  • ロシアとウクライナ

がリスク。アメリカの不動産バブルは日本の昭和末期とほとんど同じで、サンフランシスコのほったて小屋に 1m$ がつく異常事態。台所がぶっ壊れて、もはや人が住む場所でない小さな家(カリフォルニアの田舎)が日本円でほぼ 1 億円。

私も昨年から圧縮しているアメリカの株式はすでに臨界点をぶち抜いて何ヶ月も経つ。冷えこみ始めた今、日本の証券会社が米国株式ブームをつくっているのはまさに靴磨き職人のたとえです。米国株式はベアに入っていると私はほぼ確信しています。

不動産と株式においうちをかけるのがインフレーションと金利上昇、そしてロシアです。今年はかなりきつい年になりますが、意外にも終わってみたらカーター政権のときの S&P のようかもしれない。インフレーションで経済がぶっ壊れたが、株式はそこまで落ちなかったという一年かもしれない。

カーター政権は石油危機に苦しみ、世界もまた石油というリスクにおびえました。今もまったく同じことが起きています。ほぼすべての国は石油と天然ガスの高騰とインフレーションに苦しんでいる。カーターとバイデン、ボルカーとパウエルを比較する人は今後ますます増えていくはずです。