自己責任論に疲れている人に伝えたいこと:努力の限界と個人に課せられた最適戦略
社会保障が日本の財政を苦しめている今、自己責任論はたぶんかつてないほど重要な概念になっています。このエッセイはナイーブなことにつっこむので、嫌な人はもう読まないでくださいね。ただなんとなく考えたことを書いただけです。
すべての個人は違う背景を持っています。本当にきつい一生を送ってきた人もいれば、贅沢ざんまいに生きてきた人も。
だから画一的に唱えることはたぶん無理なんです。
私は貧乏家庭出身で、自分の努力ではい上がってきました。だからどうしても努力を肯定しがち。ただ、努力を肯定しすぎる人が社長になったら、その会社はたぶんブラック企業になります。
私は絶望からはい上がった人生を送ってきたわけですが、実は完全な努力型ではないのです。そこでここを切り口に努力の限界について話します。
効率主義
このウェブサイトを長くチェックしている人は、私が東京大学と開成中学校の卒業生で、最初は「どうやって勉強すればいいか」みたいな記事をアップしていたと知っていると思います。
この開成中学校と東京大学で、私は全然違う努力の仕方をしています。
開成中学校までの努力。つまり幼少期から小学六年生まで、私は人生のどん底で、最低最悪の生活を送っていました。貧乏な家庭で、家庭内暴力が絶えない家で、今考えるとよくまともに勉強していたなと思います。
このときの私はブラック企業で毎日十五時間働くサラリーマンよりきつい生活を三年くらいやっていました。おかげで九歳にしてハゲました。
じゃあその後も完全努力主義だったかというと、実はそうではない。
開成中学校に入ってから、実は家が少しずつ貧乏でなくなり、わずかに暴力が減っていきました。こうしてわずかながらもゆとりをもって勉強できる環境が整っていったのです。
問題は開成中学校の環境に移ります。ここは最高のエリートたちがそろう学校で、私は中学一年生のときビリでした。そこでなんとか脱出しようともがきますが、無理でした。
私のような状態になると、学校から自主的に消えていく人もおそらくいます。開成や桜蔭でそうなった人は何人も知っている。勉強してものびないって最悪ですよね。
そこで、私は努力型から効率型になることを決意します。一億回言ってますが、優秀な人の勉強方法をまねる、これが最初のステップでした。
そして二年後、私はビリから上位にはい上がっていきました。退学を免れたわけであります。
ところで開成は高校から百人の新しい高校生が入ってきます。彼らは英語が得意です。私は英語ができません。どうやってものびなくて、彼らに太刀打ちできない。東大は英語が重要なので、このままだと合否すれすれでいくことになると思いました。
勉強しても伸びない!と高校一年生の冬は相当イライラしていました。当時私は学校でいじめられていたので、それもあって毎日不愉快な気持ちでした。努力型から効率型にいよいよ変えていく必要があると思いました。
高校二年生になると、自分を俯瞰できる力がついていました。これも一億回言ってきましたが、客観的に自分を判断する力こそが、伸びるために必要な力なんですよね。
そこで私は数学と理科に特化する戦略が、合格期待値を上げるための最適戦略だと判断しました。つまり国語は捨てて、英語はそこそこにする。実際は英語はきちんとやりましたが、はりつめてやらなくなりました。
私は高校二年生の夏に大怪我して、三ヶ月の空白期間ができました。そういう休みがあったのもよかった。休んだから数学に特化しようと思ったわけですね〜。
三年生に上がるかという春頃には、確か東大と京大の過去三十年の過去問はやって、ほぼ丸暗記しました。そうして数学、物理、化学では相当偏差値が上がり、国語でゼロ点でも合格できるようになりました。
私はオタクだったので、受験生だっていうのに、夏にはゲーム展示会に行って、冬にはコミケに行きました。秋頃は毎日ひぐらしのなく頃にと東方永夜抄をやってました。というか、徹夜でやって学校に行って寝るという生活を送ったときもある。
それなのに成績は落ちないどころか、どんどん上がっていきます。そして本番、国語と英語はあまりうまくいかず、化学も割と失敗しましたが、現役で合格しました。
結局、努力ではない。戦略なんです。ただ、戦略を作るまでに努力は必要だと思う。努力型の人は自己責任論を語るときにここをわきまえなきゃいけない。
努力には限界がある。優秀な人のやりかたをまねるという、中学二年生の秋頃くだした戦略がなければ、努力の限界に屈して開成を辞めていたかもしれない。
会社も政府も、社会もそう。努力には限界がある。寿司屋で握るために何年も修行してとか、そういう努力根性論を言う前に、まずどんな戦略をとるか考えないといけない。
社員をこき使って薄利多売の商売をやっている会社が多い。Amazonもそう。そういう会社は戦略を変えないといけない。根性論は人を不幸にする。だって無理なものは無理なんですもん。
学生は開成にいる連中に正面衝突して勝てるわけないんです。うまく戦略を練らなきゃ本当に絶望的な人生に落ちていくんです。
日本はアメリカに勝てるわけないんです。だって予算が桁違いなんですもん。うまく戦略を練らなきゃすべての付加価値はアメリカと資本家に根こそぎ奪われるんです。
努力じゃない。戦略なんです。
自己責任論に疲れている人へ
社会と世界はかなりいびつで、自己責任ではどうにもできないところまできていると思っています。日本とヨーロッパははっきりいうと、中東諸国にごっそり富を持っていかれている。だって技術競争しないでオイル売ってるんですもん。
資源国はすべての国からお金を奪っている。富の人口あたり平均値っていうのは技術革新によって増えますが、資源国はそうでない国より多く分配される。
資本家は明らかに労働者より分配されている。
すべてのつけを労働者、つまり私を含む、ほとんどすべての日本人は払っている。無理なんですそもそも。自己責任論もへったくれもないんです。最初から。
日本の中で、大企業は中小企業から、人材会社は製造会社から、高齢者は若者から富を奪う。自己責任論なんて言ってられない国の内部でさらに富の奪取が起きている。もはや自己責任論なんか言いようがないレベルまで追いこまれている。
なので、自己責任論による所得再分配と社会保障制度は、出口のないゲームで出口を探しているようなもの。
自己責任論に疲れている人はこの状況をこんなふうに理解すると落ち着くんじゃないと思います。つまりほぼ全員、きついゲームにいて、もはやどうにもできない。
個人ができること
私は資本主義が嫌いです。しかし生きていくためには、この資源もない国で生きていくには、資本家になるしかない。そう思ってAppleとかの株をちょこちょこ買っていたわけです。
資本家以外にも道はあるかもしれない。その人にあった道がある。もし寿司職人だったらアメリカに行ったほうがいい。今世界的に日本食ブームだって知っていますか?ニューヨークでそこそこのお寿司を食べたら何万円もいく。日本はミシュランでナンバーワン。
とりあえずいろんな道があるなかで、自分にとって最適な戦略をとる必要がありますよね。
自己責任論に疲れた人がとるべきことは、最適戦略の発見です。そしてそれは、怪しい情報商材には書いてない。自己啓発本を買ってもたぶん意味ない。だって最適戦略はその人にしか存在しない戦略だから。頭を使って戦略を考え、勇気を出して行動しないといけない。
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