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東大受験生に贈る言葉 2023 - 理系数学は余白との戦い、三角関数の積分は符号にいつも気をつける

毎年やっている贈る言葉。東大受験生に贈る言葉は少しネタがつきました。なので、今年はドラマ仕立てにしました。上田先生というキャラクターが受験生に最後の言葉を贈ります。予備校で解説している風景を想像してください。

科目は理系数学です。それでは始まります。

最初コケても気にするな

「君たちは十分やった。だから最初の小問がわからなくても気にするな。いいですか? はいちょっとこっち見ろよー」

大きな文字で

『お前がわからない→隣のやつもわからない』

と書く上田先生。

「こういうことなんです。弱虫はわからないと『もうダメだ!』とすぐしょぼくれますね。不合格になるなんて思うなよ。てめえがわからないってことは、隣のやつもわからないってことなんです」

「努力してきた人間どうしのトップ争いをしている。わからなくても、それはそれでいい。本当に難しくて、みんな解けない問題かもしれない。わからないことは重要じゃない。重要なのは、そこでマインドを落とさないってことなんですよ? わかってるか?」

余白を計画的に使え

「俺ずっと言ってきたよね。東大は余白少ねえって。だからキャッシングと問題用紙の余白は計画的にって百回言ったよな。うん。あのな」

大きな文字で書く上田。

『余白→積分にとっとけ』

「数学Ⅲ以外の問題であんま使うんじゃないよ? 余白っていうのは、積分のために使うんだ。もうわかってるよね? わかってても、君たちの中には、あくせくして、二次関数のうんこみたいな問題で余白を大量に使う輩がいるんだよね。だめだよ」

「君たちの敵は隣にいるやつじゃなくて、時間と余白です。時間を計画的に使うのは当たり前ですよ。だけど余白も計画的に使うんですよ? いいですか」

三角関数の積分

「あのねえ、俺みたいに数学をずっとやってますとね、計算ミスの勘所っていうのがわかってくるんだ。人間っていうのはね、積分するときに符号をよく間違える。おいよく聞けよ? あのな」

1 - 2 = -1
1 - (-2) = 3

「こう書けば間違いんだけども、積分って長いですよね、式が。だから式をずっと書いているうちにカッコを忘れて」

1 - -2

「なんて書いちゃう輩がいるんだよね。だめだよ。こう書くと、マイナスとマイナスがつながって、一個のマイナスになって」

1 - 2

「になっちゃうだろ? いっぱい式を書いてるとさ、こういうミスってよくやるんだよ。三角関数の積分はマイナスとカッコがよく出てくるだろ? だからこういう初歩的なミスやっちまうんだよね」

汚いルート

「あとね、なんかきたねえルートが出てきたら、そこで解くの一時停止しとけよ。これ以上進んだらやばい計算になるって予感が働くときあるだろ? 東大でも汚い計算させる問題はあるが、ルート 2453 とか出てきたら、おい、俺このままやってだいじょうぶかな? と思わないとダメですからね? いいですか?」

「汚いルートが出てきたら、途中でミスってると考えような。でも、せっかくここまでやったのにって変に気合が入ってそのまま続行する輩もいるんだよね。だめだよ。汚いルートが出てきたら、まず反省せよ。途中式を疑え。立体図形の問題は特に気をつけような」

おしまい。受験生のみなさん、がんばってください!

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