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剰余の定理の解説と問題 整式の割り算の基本が剰余の定理となる

数Ⅱで勉強する整式の割り算の基本は剰余の定理です。剰余の定理がわかっていると整式を一次式で割ることができます。複雑な因数分解の問題では剰余の定理が力を発揮します。

剰余の定理は整式を一次式で割るという問題が背景にありますが、この割るもの(一次式)に注意しましょう。

整式 $P(x)$ を一次式 $ax + b$ で割った余りは $P\left( -\dfrac{b}{a} \right)$ となる。

整式を割る一次式 $ax + b$ について、$ax + b = 0$ の解を代入したものが余りとなります。なお $x = -\dfrac{b}{a}$ を一次式 $ax + b$ の『根』(解ではなく『根』)といいます。つまり剰余の定理は「整式を一次式で割った余りは、その整式に一次式の根を代入した値である」という主張です。

次の整式とカッコ内に示された一次式で割ったときの余りを求めなさい。

(1) $4x^2 + 2x + 3$ ($y = x - 3$)
(2) $2x^3 + x^2 - 6x + 7$ ($y = x - 2$)
(3) $x^3 + 3x + 1$ ($y = 2x - 1$)

解答

(1) $x - 3 = 0$ の解は $x = 3$ であるから

\[ 4 \cdot 3^2 + 2 \cdot 3 + 3 = 33 \]

(2) $x - 2 = 0$ の解は $x = 2$ であるから

\[ 2 \cdot 2^3 + 2^2 - 6 \cdot 2 + 7 = 15 \]

(3) $2x - 1 = 0$ の解は $x = \dfrac{1}{2}$ であるから

\[ \left( \dfrac{1}{2} \right)^3 + 3 \cdot \dfrac{1}{2} + 1 = \dfrac{21}{8} \]

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