サリチル酸(とサリチル酸メチルとアセチルサリチル酸)の構造式と医学的利用
サリチル酸はベンゼン環にCOOHとOHがついた芳香族化合物で、フェノール類であり、カルボン酸でもある。
サリチル酸のメチル化
メタノールと反応させることをメチル化という。サリチル酸とメタノールを反応させるとサリチル酸メチルになる。
これはカルボン酸とアルコールの反応である。サリチル酸メチルは鎮痛剤、消炎剤として使われる。
アセチルサリチル酸
無水酢酸と反応させることをアセチル化という。サリチル酸と無水酢酸を反応させるとアセチルサリチル酸になる。
サリチル酸のOH基が無水酢酸と反応し、無水酢酸から一分子の酢酸を奪い、一分子の酢酸を遊離させる。
アセチルサリチル酸は解熱鎮痛剤として使われる。
バファリンシリーズには、解熱鎮痛成分として「アセチルサリチル酸(アスピリン)」や「イブプロフェン」などが配合されています。(ライオン製品『バファリン』公式ホームページ「バファリンの特徴」より引用)
サリチル酸自体が鎮痛剤としての性質をもっているが、胃腸の痛みが副作用として出ることから、構造を変化させたアセチルサリチル酸が医学に使われることになった。
なおアセチルサリチル酸のような比較的低分子の芳香族化合物としてアセトアニリドも医学で使われてきたが、同じく副作用の問題から現在はほとんど使われていない。代わりにアセトアミノフェンという物質が使われている。
芳香族化合物
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