エッセイ 教育

数学の勉強効率を改善して成績を劇的に上げる方法:問題を最後まで解かない

数学は方法しだいで効率が何倍も上がるボーナス教科です。数学を最後まで解かない人は、数学の成績を簡単に上げられます。問題をしつこく解いてしまう人は、勉強しても成績があまり上がりません。

記事の結論

数学は、問題を解かないことが勉強になる唯一の科目

多くの人は数学を最後まで解く。答えをきちんと出すまでその問題に向きあう。やり方がわかって、あとは面倒な計算をやるだけとわかっても、最後まで解く。答えを求めないと勉強した気にならないからです。

しかし、やり方がわかった問題はほぼ攻略したも同じ。答えを求めるためにネチネチネチネチ計算するのは自己満足です。そこに数学的な成長はほとんどないのです。

数学は、わからないものと向きあうことが勉強です。わかるものを解くことに意味はほとんどありません。

効率の差をざっくり計算してみよう

大学受験の数学で勉強効率を計算してみます。数学をネチネチ解いてしまう太郎くんと、解法がわかったら途中でやめる花子さんを比較します。二人とも月刊「大学への数学」で数学を勉強しているとしましょう。どちらもレベル A はだいたい解けて、レベル C にちょっと苦戦している感じとします。

太郎 … レベル A も全力で解く(1 問 15 分 × 15 問)
花子 … レベル A はガン無視

この時点で太郎は花子に勝てません。二人とも A はクリアしているので、A をやっても意味がないのです。

太郎 … レベル B も全力で解く(1 問 20 分 × 15 問)
花子 … レベル B は「これ難しそう」という問題だけピックアップ(1 問 20 分 × 3 問 + 1 問 5 分 × 3 問)

花子は直感的に「これやばそう」という B だけを勉強します(6 問)。そして半分は途中で放棄(1 問 5 分)し、半分は本気でとりかかります(1 問 20 分)。放棄する問題は計算過程で解法がわかった問題です。なかなか解法がわからない問題だけを本気でやります。

ここで太郎と花子はどれだけ差がついているでしょうか?

太郎が花子に比べて相対的に損している時間
= 15 × 15 + (20 × 15 - 20 × 3 - 5 × 3)
= 225 + 225
= 450 分

つまり「大学への数学」だけで太郎は花子よりも 8 時間ほどムダに過ごしています。本人は時間をドブに捨てたと思っていません。「今月も数学をがんばったぞ!」という自己満足にひたっていることでしょう。

一方、花子はそれほど勉強していない。難しそうな B をやって、しかも途中で解法がわかったら放棄。しかし二人はほとんど同じ成長を遂げます。二人とも「大学への数学」のレベル B から同じ知識を吸収しますが、花子は太郎よりも 8 時間くらい節約しています。

ほとんどの学生は「勉強」でなく「作業」に時間を使っている

模擬試験をふりかえってください。「やり方はわかった。あとは計算だけだ!」という状態になったら安心しませんか? なぜ安心するかというと、やり方がわかった時点で残りは作業でしかないとあなた自身が知っているからです。

にもかかわらず多くの受験生は「作業でしかない残り」にとんでもない量の時間を注いでいる。そして、数学的な能力が一番試されるのはやり方を見つけることとわかっていながら、どうでもいい後始末の計算ばかりやっている。数学を勉強しても伸びない原因はここにあります。

数学の成績が伸びない人は「自分に才能がない」と諦めないでください。数学の成績と偏差値は、実は才能とほとんど関係ない。高校受験と大学受験の数学は効率だけで決まります。上にあげた花子さんの勉強習慣を理想にしてください。わかっている問題は解かず、途中でわかった問題を放棄する。この習慣をつけるだけで、あなたは隣に座っている人に数学で勝ちます。

大学受験の数学って、しょせんこの程度の話なんです。

多くの人は 1 時間で 2~4 問(計算問題は除く)くらい解きます。青チャートの問題をきちんと解こうとしたら、やっぱりそのくらいかかってしまいますよね。数学を 1 日に 2 時間勉強する人は 1 日に 5 問くらいしか頭を使っていない計算になります。

でもこれでは足りない。少なくとも東大の理系数学はクリアできない。数学の成績が伸びない人は、実のところ、自己満足が多すぎてパターン問題をきちんと覚えていないだけです。花子さんだったら 1 日に 20 問の問題にとりかかるでしょう。

結論

頭を使う勉強と頭を使わない作業を明確に区別して、頭を使わない作業を減らしてください。これができると数学の勉強効率は飛躍的に向上します。

「数学ができない!」「いい先生に教わっているのに成績が上がらない!」という人は、わからない問題でなく、すでにわかっている問題を解くという習慣をもっています。その習慣を捨てれば、偏差値はスッと上がります。