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凝結と飽和水蒸気量(中学理科)

ガラスのコップに冷たい水を入れて放置すると、コップの表面に水滴ができる。これは空気中にある水蒸気(気体)が水(液体)になるためであり、これを凝結という。

冬になると窓ガラスが白くくもり、指で文字が書けるくらいになるのも凝結である。

ジメジメしているときの空気

空気中には水蒸気が拡散している。私たち自身、呼吸によって水蒸気を常に空気中に吐きだしている。

ここで300m3の教室の窓ガラスと空気中の水蒸気について考えてみよう。雨が降って教室の窓ガラスがくもって、水滴が垂れているとする。実はこのとき、この教室の空気にはおよそ6000gの水蒸気が浮いている。目に見えないものの、数kgの水(気体)が浮いている。

ここで生徒たちが呼吸をして大量の水蒸気を空気中に出したら、教室はどうなるだろうか? 教室にただよう水蒸気の量は6000gから8000gになるかと思いきや、そうはならない。生徒たちが新しく空気中に送りだした水蒸気は窓ガラスについて水滴となる。そして教室の空気にふくまれる水蒸気の量は6000gのまま。

空気が「もうこれ以上水蒸気を入れることはできない」という状態

ジメジメしていると、空気は「もうこれ以上水蒸気を入れることはできない」という状態になる。この状態になってしまうと、水蒸気をそれ以上その空気中に入れることはできない。入れようとしても、水蒸気が液体(水)になってしまう。

この「もうこれ以上水蒸気を入れることはできない」状態を「水蒸気が飽和している」という。例えば、20°・1m3の空気には、およそ20gの水蒸気を入れられる。つまり20°・1m3の空気に23gの水蒸気を送りこむと、3gほどが水滴となって表出する。この20gといった限界量を飽和水蒸気量という。飽和水蒸気量は温度によって大きく変わり、20°と100°では2倍以上の差がある。

飽和水蒸気量

飽和水蒸気量は1m3当たりの水の量(g)で表し、温度によって大きく変化する。温度が上がると飽和水蒸気量が上がり、温度が下がると飽和水蒸気量も下がる。

温度上昇 → 飽和水蒸気量増大
温度下降 → 飽和水蒸気量減少

20°における飽和水蒸気量はだいたい20g前後。300m3の教室では

20 × 300 = 6000g

の水蒸気を送りこむことができる。もしこの教室に6300gの水蒸気を送りこめば、300g分は水滴となって壁や窓ガラスに出てくる。

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