資産と負債と純資産のバランス|MonotaROの決算から会社の「成長」を考える

負債は要するに借金なので、資産に対して負債が大きい会社は借金がたくさん抱えている会社となります。銀行など金融機関は別として、負債が7割も8割も占めていたら誰が見ても「危ないんじゃないかな?」と思いますよね。貸借対照表を見てまず第一に確認することは負債の割合です。

負債の適正な割合は業種によって大きく異なります。また成長フェーズによっても全然違います。例えば急成長中の会社はしばしば負債の割合が高いですが、危険視する必要がないケースはとても多いです。なぜなら急成長中の会社はその借金をすぐに返済できるほど利益を急激に伸ばしている可能性が高いからです。

ある会社の決算書を見て、負債の割合が半分くらいで「危ないかな?」と考えてしまうかもしれませんが、この半分という水準は一般的です。むしろ多くの成長企業はこのくらいの負債割合と言えるかもしれません(もちろん現実は会社によって千差万別ですが)。

MonotaROの例

ここで負債をうまく使いながら高成長を遂げているMonotaROという会社の決算を紹介します。この会社は住友商事とアメリカのグレンジャー社が共同出資して設立されました。

MonotaRO 連結会計年度(平成26年12月31日) (単位:1000円) 負債 8,652,691 純資産 9,216,023 合計 17,868,714 MonotaRO 連結会計年度(平成25年12月31日) (単位:1000円) 負債 7,149,735 純資産 7,355,805 合計 14,505,541 ※MonotaRO「2014年度有価証券報告書」より引用

MonotaROは負債割合が半分です。

しかし平成25年から平成26年にかけて純資産がかなり増えています。内訳は実際の決算書を見てください。純資産の増加のほとんどが利益剰余金の増加で、先に説明したように利益剰余金の増加は会社が利益を上げている、成長を遂げている証拠です。

MonotaROの場合、利益剰余金の増加が資本金に対して高いのでかなり高成長といえます。

負債の一般的な割合は業種などによって大きく異なる

負債の割合だけを見てその会社を判断することは危険です。

必ず業種、成長フェーズ、利益などと組み合わせて考えます。そのためその会社を判断する際、同業他社の決算書(決算短信、有価証券報告書)も見る必要があります。

負債の割合が低いからいいというわけではない

一般的に負債の割合が低いといい会社に感じられますが、これもまた危険な判断です。確かに無借金経営はすばらしいですが、同時に成長が停滞している可能性もあります。

また別ページで説明している(※予定)ように、借金はROE(自己資本利益率)を上げるいい側面を持っています。

負債割合の低さと高ROEはしばしば相反し、また株式市場が高ROEを非常に高く評価する時代になったので、負債割合が低ければ低いほどいいという考えは少し間違っています。

ちなみにMonotaROは高ROE会社が参加するJPX400インデックスに登録されています(2015年10月現在)。

以上より負債割合は高すぎず低すぎずのほどほどがいいという結論になります。