線形代数の基本 ベクトルの和と定数倍(スカラー倍)の公式

ベクトル $\mathbf{a},\ \mathbf{b},\ \mathbf{c},$ 実数 $s,\ t$ について以下の公式が成り立つ。

\[ (1)\ \ \mathbf{0}+\mathbf{a}=\mathbf{a}+\mathbf{0}=\mathbf{a}\\ (2)\ \ \mathbf{a}+\mathbf{b}=\mathbf{b}+\mathbf{a}\\ (3)\ \ (\mathbf{a}+\mathbf{b})+\mathbf{c}=\mathbf{a}+(\mathbf{b}+\mathbf{c})\\ (4)\ \ s(t\mathbf{a})=(st)\mathbf{a}\\ (5)\ \ (s+t)\mathbf{a}=s\mathbf{a}+t\mathbf{a}\\ (6)\ \ s(\mathbf{a}+\mathbf{b})=s\mathbf{a}+s\mathbf{b} \]

$(1)$ はゼロベクトルの存在と、ゼロベクトルにどのようなベクトルを足しても同じベクトルになることを示す。 $(2)$ は交換法則、 $(3)$ は結合法則である。これらは普通の数にも成り立つ法則である。

\[ (1)\ \ 0+3.14=3.14+0=3.14\\ (2)\ \ 1+2=2+1\\ (3)\ \ (1+2)+7=1+(2+7) \]

しかし $(4)$ から $(6)$ までの性質は普通の数にない法則、ベクトルに特有の法則である。