エッセイ 教育

開成中学校の新入生に贈る言葉:変人としての自分を認めれば、将来成功します

開成中学校と東京大学の新入生に贈る言葉というシリーズを毎年やっています。いい年して出身校をネタにするのは個人的に苦痛ですが、恒例になっているのでやります。今回は開成中学校の新入生に伝えたいことを紹介します。

新入生とその家族に知ってほしいことは、開成中学校は普通の学校で、特別なカリキュラムなんかないということです。むしろ東大特進クラスみたいなカリキュラムを用意している学校はすべてクソです。東大に入ることを目的にした時点で教育を誤解している。そういう考えの教育者は学生よりも教育されるべき人間です。

金のバッチの意味

開成は中学校のバッチが金で、高校が銀です。なので生意気な開成生は「東大は銅」と思っています。そして東大を出たらバッチがとれて凡人になるというわけです。実際、ほとんどの卒業生はそのへんにいる普通のおっさんと変わりなく、凡人以上の人間は蜷川幸雄以外いない。

新入生は開成中学校の校歌を聞いて、俺が日本をひっぱるんだとプライドをもちます。確かに裁判官になったり上場企業の社員になったりすることで日本をよくしていることは違いありません。が、そんなことを夢見ている人はわずかです。自分はそのへんにいるしがない弁護士とかよりもビッグな存在になるんだと、おそらく半分の新入生は思っている。それが金バッチの意味です。

つるかめ算もなにも勉強しなかったアホな連中はバッチをつける資格もない。最初から銅のバッチもつけてない連中は将来俺の靴をなめろ、と思ってもけっこうです。実際、開成中学校に入る人間のほとんどはその時点で日本の勝ち組です。おめでとうございます、普通にやれば死ぬまで勝ち組のコースが待っています。私はそういう傲慢な思考ができるほど精神的に熟してなく、受かったあとはひたすらポケモンで遊んでいました。

金のバッチのせいでほとんどの学生はただの凡人になりさがる

小学校にいた怠け者の連中とようやくおさらば。これからは自分と同等または格上の人間にもまれてやっていきます。その独特な空間と雰囲気によって、開成生はエリート意識をもつわけです。しかしそういう意識があるかぎり、将来はほどほどの成功しかない。

金のバッチは日本人にしか見えないものです。イギリス人は開成中学校なんか知らない。これを読んでいる新入生の親に伝えたいことは、あなたがもつことになった特権階級意識はクソということです。学習院や慶應のエリート意識はクソの中のクソ、犬のクソにも劣るクソで、私からしたら狂気の沙汰です。開成に入ったら日本の勝ち組になりますが、日本はすでに泥舟なんです。泥舟の頂点は地上です。

新入生もその親もまず、自分は世界的にはまったく勝ち組でないという思考をもつ必要があります。日本一になったうぬぼれは5月までで、それからはきちんと勉強して、開成生に眠っている変人な気質を養っていくべきです。

変人にならないとたぶん失敗する

私は変人なのでそこそこ成功しました。常識的で形式的な思考ばかりの人間だったら、資本主義にのみこまれて一生貧乏で悲惨な人生だった。残酷なことに、変人じゃない人間はたいてい資本主義の餌食になる。まともな人、つまりきちんとテスト勉強してそこそこいい大学に入って、まあまあの会社に入って営業やら事務やらで働いて、ローンを組んで家を買って、なんとなく結婚して…という人生が一番悲惨な結末をむかえます。

今の文章に嫌悪感をもたない日本人はほとんどいない。なぜならほとんどの日本人は最初から破滅的な選択をしているからです。クソみたいな言い方をすると、大部分の人間は期待値がマイナスの選択を常にとっている。リスクがあまりないAppleの株を買わないくせに、地震、火災、騒音、近隣住民、事故のリスクがある家をドカンと買う。株はやらないが家は買うという発想は狂気ですが、そこは「みんなローン組んでるから」という理由で買ってしまう。

住宅、結婚、転職で多くの人は破滅的な行動をとります。まともな人でなにも疑わない人だから。学校の勉強をしていればオッケーだろ、東大に入っておけばオッケーだろ、文句言わせねーよ、という発想があるから。

話がややこしくなるけど、なんで日本がこんな息がつまる社会になったかというと、ほぼすべて少子高齢化とアメリカと中国のせいです。第一に少子高齢化で税制も経済・金融政策もいびつになりました。第二にアメリカがテクノロジーで地球を支配し、日本の富を吸い取りまくっているから。Appleのスマホを買った時点で、あなたはアメリカに金を渡しているのです。そして中国が日本の製造業をボロボロにしているから。こんなことを言うと「お前はマクロ経済をわかってない…」と言われるかもしれないけど、この3つが複合的にからみあって日本を木っ端みじんにぶっ壊して、ギッタギタのメッタメタのボロボロのカス雑巾にしたのは1,000%間違いないんだよ。日本が泥舟になっているのは、日本がグローバルな環境に負けているからです。

〜アメリカに貢いでいるアンタの行動〜

なんでグローバルな考えをもてないか?それは無思考で無批判的だからです。みんなこうやっているから僕ちんもこうするというカスみたいな習性がある人間は資本主義の餌食になります。そして大半の日本人はそういう人間なので、日本社会全体が世界的なゼロサムゲームの餌食になっている。

あなたの敵は日本人じゃなくて、アメリカのシリコンバレーにいるやつらです。そういう意識をもてば、日本社会が決めた紋切り型のコースがいかにだめかわかると思います。大部分の日本人に「あいつ頭おかしくね?」と笑われるくらい変人にならないと、たぶん悲惨な人生を送ることになります。なので開成中学校の新入生は変人になって、変人としての素質を養っていくべきです。

変人はなにをするべきか?

日本人としての変人は、第一にすべてを疑い、第二に期待値が最も高い行動をとり、第三に他人からの批判に我慢することです。例えば日本の大学に入らないことは変人のやりそうなことですが、期待値がかなり高い行動です。東大よりもプリンストン大学に入るほうが将来の獲得賃金はおそらく多くなる。

部活に入らないでPythonの勉強をするというのは友だちにバカにされそうな行動だけど、やっぱり期待値が一番高い行動です。資本主義で一番利益を吸い取っているのはアメリカのソフトウェア会社にいるPython技術者です。数学の知識とPythonの技術は地球上で最も付加価値の高い道具で、データアナリストは年収3,000〜5,000万円クラスになります。大半の日本人が40年かけてようやく1.5億円を手にするのに、数学の知識があるPython技術者は3年で達成してしまう。

人によってとるべき行動は変わりますが、大切なのは常識や慣例を疑って、資本主義の罠を見つけて、自分が損しない行動を常にとることです。バッチをつけたとたん、新入生は日本社会が仕組んだ罠にはまっています。俺はすごいんだと思った時点で凡人の道をたどっている。金のバッチはただのバッチにすぎないし、サピックスでちやほやされた金の卵としての自分はとっとと卒業するべきです。

この文章にストレスを感じた人へ…

こういう文章は人をイライラさせるし、私自身もいらつく。だけどあなたが一番イラつかないといけないのは、私たちを惨めにしているシステムと無思考の人間です。東大はすごいと無責任にほざくメディアも、新卒一括採用というカスみたいなシステムを作った人材会社も、ローンを組んで家を買うことが常識だとほざきやがる自称フィナンシャルプランナーも、港区に住むことはステータスともちあげる不動産会社も、スポ根とバンドをもちあげる出版社も、多くの日本人を破滅に追いやった責任があるのに、誰もなにも言わない。あなたが一番うざいと思うべきなのは、こういうやつらなんです。