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金本位制、IMF-GATT、ニクソン・ショック、WTOの歴史

第一次世界大戦前の国際通貨体制は金本位制だったが、経済の中心がイギリスからアメリカになり、1920 年代後半からの経済不況が深刻になると金本位制は崩壊した。そして各国のブロック経済は第二次世界大戦につながった。この反省から生まれたものが GATT と IMF である。

金本位制

金本位制とは、各国の通貨が保有する金によって定まるという制度である。1930 年代、各国は経済恐慌を乗り越えるために、金本位制を廃止して管理通貨制度を採用した。

GATT

1948 年、関税と貿易に関する一般協定(GATT)が結ばれた。GATT は自由貿易、多国主義、無差別最恵国待遇の 3 つを原則とし、自由貿易を促進する。

IMF

国際通貨基金(IMF)は、1944 年のブレトン・ウッズ協定に基づいて設立された。当初の体制では 1 オンス(31 グラム)が 35 ドルで交換されるように定められた。各国の通貨とドルの交換比率は一定に固定された。これを固定為替相場制という。

戦後直後はアメリカが経済の中心となり、ドルは金より強い基軸通貨となった。

ニクソンショック

ベトナム戦争などでアメリカの対外債務が大きくなると、ドルの信用不安が高まるドル危機が起きた。1971 年 8 月、ニクソン大統領は金とドルの交換を停止し、各国の固定為替相場は終わった。

1971 年 12 月、固定相場制に戻そうとするスミソニアン協定が結ばれるものの、結局 1973 年に各国は変動為替相場制に移行し、金の代わりにSDR が使われるようになった。

※ スミソニアン協定では 1 オンス 35 ドルから 38 ドルに切り下げて、日本円も 1 ドル 360 円から 308 円に切り上げられた。

※ SDR(特別引き出し権)とは、1969 年の IMF 協定第一改正で制定された権利で、国際収支が赤字になったときに金やドルを受け取ることができるものである。

WTO

自由貿易のために作られた GATT は、日米間などの経済摩擦を解消できずにいた。これをうけて WTO(世界貿易機関)が 1995 年に発足し、自由貿易の拡大と適正化を目指した。

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