酢酸は水に溶けても完全に電離しないので、(塩酸や水酸化ナトリウム水溶液のように)水溶液の濃度がそのまま水素イオン濃度になるわけではない。酢酸の一部は電離して水素イオンを放出するが、残りの大部分は分子のままである。
酢酸の場合、約 1% が電離して水素イオンを放出するが、残りの 99% は電離しない(数値はだいたいの目安)。この電離する割合を電離度という。
pH の基本は強酸と強塩基の pH の求め方(塩酸、硫酸、水酸化ナトリウム水溶液の pH)を参照。
酢酸は水に溶けると一部が次のように電離する。
CH3COOH → CH3COO- + H+
化学平衡の法則という法則から下の式が成り立つ。
この定数を電離定数といい、高校の教科書などでは Ka と表す。電離定数 Ka は濃度によらない。モル濃度などはモル濃度と質量パーセント濃度と質量モル濃度の違いと変換公式を参照。
酢酸水溶液の濃度を C、電離度を α として、K を用いて電離式を変形する。
α はとても小さいので、1 - α = 1 とみなす。
pH は水素イオン濃度の log をとって、マイナスにした値である。水素イオン濃度は Cα だから次のように求める。
指数法則と対数法則
底の変換公式の証明
強酸と強塩基の pH の求め方(塩酸、硫酸、水酸化ナトリウム水溶液の pH)
高校化学のまとめ