細胞は核、ミトコンドリア、小胞体などの細胞小器官から構成される。
ミトコンドリアと葉緑体は独自のDNAを持ち、自己増殖する。粗面小胞体はリボソームで合成されたタンパク質の高次構造を作り、運搬する。微小管からなる中心体は細胞分裂時に紡錘糸の起点となる。細胞の構造は微小管、中間径フィラメント、アクチンフィラメントといった細胞骨格に支えられている。
真核細胞は核膜、ミトコンドリア、ゴルジ体を持つが、原核細胞はこれらをもたない。
※ 真核細胞でも赤血球はヘモグロビンを大量に積むために核やミトコンドリアを含むほとんどすべての細胞小器官を持っていない。ヒトの精子は核とミトコンドリアと中心体由来のべん毛のみ。
ペルオキシソームは一重膜で覆われた細胞小器官で、脂肪酸のβ酸化などを行う。
モータータンパク質にはアクチンフィラメント上を動くミオシン、微小管上を動くキネシンとダイニンがある。べん毛は主に微小管から構成され、微小管の間にダイニンがあり、ダイニンがATPを加水分解してエネルギーを出すことで、微小管の屈曲が生じる。
リン脂質二重層の細胞膜にタンパク質がモザイク状に埋めこまれ、側方に自由に動けるというモデル。
水は細胞膜上にあるアクアポリンというチャネルを通って膜を通過するから。
遺伝子はDNAポリメラーゼといった酵素によって半保存的に複製される。遺伝子はRNAポリメラーゼによって転写される。転写産物は選択的スプライシングを受けて伝令RNAになり、核膜孔を通って細胞質に出る。リボソームにおいて、アミノ酸を持つ転移RNAが相補的な塩基配列を持つ伝令RNAに結合し、アミノ酸の列ができる。アミノ酸がペプチド結合によって重合し、タンパク質が合成される。
チェックポイント:
特に、肺炎双球菌の実験など、実験の内容と結果(成果)、実験を行った学者の人名、おおまかな時代は注意。RNA干渉やエピジェネティクスといった最新の研究についても最低限の知識は必要。中でも窒素同位体を用いたメセルソンとスタールの実験は非常によく出題される。
がんという病気から出発し、テロメア、遺伝子の発現調節、遺伝子の損傷と修復などを考察することも大切。
ポリエチレングリコールを加える。
※ ダイサー、RISC、転写RNAの翻訳阻害といったキーワードが必要です。
ヒストンの化学的装飾と非コード領域RNAによる制御。
小胞体シグナル配列を持つタンパク質は小胞体内に移動し、分子シャペロンに折りたためられて立体構造をとる。
だ腺染色体はキイロショウジョウバエの幼虫などで確認される、DNAがくりかえし複製されて染色体が束になったもの。相同染色体が対合した状態で、ところどころにパフと呼ばれる転写活性領域を持つ。
鎌状赤血球貧血症の原因遺伝子をヘテロで持つ者はマラリア耐性を持つから。
一遺伝子一酵素説。
理由 : ①世代時間が短く、実験結果がすぐに得られる。②単相で変異が形質となって表れる。③変異株と野生株の交雑によって変異株と野生株が1:1で生じる。④形質が単純。
①放射線。DNAは放射線によって直接イオン化されたり、DNA周囲の水から生じたOHラジカルによって損傷を受ける。 ②紫外線。DNA上の連続したピリミジン塩基は紫外線を受けると二量体を形成し、DNAを変異させる。 ③化学物質。
真核生物では転写時に選択的スプライシングが行われ、転写は核内、翻訳は細胞質で行われるが、原核生物ではスプライシングが行われず、転写と翻訳が同時に進行する。
損傷した塩基が除去されると、塩基がない部位はDNAポリメラーゼによって元の塩基が作られ、DNAリガーゼによって合成された塩基とDNAが結合する。
※ 除去 → 修復 (DNAポリメラーゼ+DNAリガーゼ)
核様体と別に存在する、自律的に増殖する環状DNA。
※ プラスミドは概ね生存に必須でない。
情報を伝達する物質にホルモンとサイトカインがある。ホルモンはペプチドホルモン、アミノ酸誘導体ホルモン、ステロイドホルモンに分けられる。サイトカインのうち白血球が放出ものをインターロイキンという。視床下部が放出するホルモンのうちバソプレシンとオキシトシンは脳下垂体後葉から直接標的器官に向かう。
ヒトの目は暗いところに入ると最初に錐体細胞の順応が起き、次に桿体細胞の順応が起きる。後者では、桿体細胞中のビタミンAとレチナールがそれぞれオプシンと合成しロドプシンになることで起きる。
近くを見る時、毛様体が収縮してチン小帯が緩み、水晶体が厚くなる。逆に遠くを見る時、毛様体が緩んでチン小帯が収縮し、水晶体が薄くなる。ヒトは水晶体の厚さを調節することでピントを合わせている。
※ 近くを見る時のみ覚える。毛様体収縮 → チン小帯弛緩 → 水晶体厚
瞳孔括約筋が収縮すると瞳孔が小さくなり、瞳孔散大筋が収縮すると瞳孔が大きくなる。
運動神経からの刺激が筋細胞に伝わると、筋小胞体からカルシウムイオンが放出される。カルシウムイオンはアクチンフィラメントに結合し、ミオシンがアクチンに結合できるようになる。ミオシンはアクチンに結合すると、ミオシン頭部のATPアーゼによってATPを分解したエネルギーを使って頭部の形を変え、アクチンフィラメントを引きよせる。アクチンフィラメントがミオシンフィラメントの間に滑りこんでサルコメアは収縮する。
※ 詳しい解説は『ニューステージ新生物図表』などを参照。視覚的に覚える。
高校生物でよく出題される記述問題をあげてみました。問題のすぐ下に解答があります。解答は必ずしも正確と言えないので参考程度に、教科書や資料集を確認して自分なりの答えを出してください。
解答にあたっては以下の文献を参考にしました。RNA干渉など最新の研究に関する問題は著作権の関係で答えを掲載していません。キーワードを並べるにとどめます。その他著作権にかかわる問題がある場合、また解答に著しい誤りがある場合は至急連絡をお願いします。
ニューステージ新生物図表(浜島書店) Essential細胞生物学 原書第3版(B.et al. Alberts(著), 中村桂子/松原謙一(翻訳)、南江堂) 放射能とDNA損傷(原子力機構・先端基礎研究センター放射場生体分子科学研究グループホームページ)