1516年、ハプスブルク家のカルロス1世がスペイン王になると、スペインの絶対王政が進んだ。カルロス1世は神聖ローマ皇帝にも即位し、カール5世になった。
カール5世の後、1556年にフェリペ2世(カール5世の子)がスペイン王になると、スペインは絶頂期をむかえた。
ヨーロッパにとってオスマン帝国は脅威となっていたが、1571年、フェリペ2世のスペインはオスマン帝国に勝利し、地中海の制海権をにぎった。
ポルトガルはアヴィス朝が長く支配していた。スペインと同様に植民地支配を進めていたが、セバスティアン1世がモロッコ遠征中に戦死し、アヴィス朝が途絶えた(1578年)。そこでフェリペ2世はポルトガル王を兼ねて、ポルトガルの植民地を継承した。
地球上の大半を植民地として手に入れたスペインは「太陽の沈まない国」といわれた。
ポルトガルの植民地を継承して国土を広げたものの、1581年にスペイン領だったネーデルラントが独立した。
対立していたイギリスがネーデルラント側を援助し、ネーデルラントとの争いは泥沼化した。
当時スペインとイギリス(エリザベス1世)は険悪な関係にあった。1588年に両国は争うが、アルマダの海戦でイギリスはスペインの無敵艦隊を破った。
スペインはアメリカに広大な植民地をもち、銀を吸いあげていた。しかし16世紀末になると銀の流入が減り、スペインの財政が悪化した。ネーデルラントやイギリスとの戦争による出費の増大と、アメリカからの銀流入の減少が重なり、スペインは衰退した。