平方完成(completing the square)の公式と意味と計算問題

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[su_tab title="解説"]

平方完成は二次関数の頂点を求めるときに使う重要なテクニックである。なお平方完成は英語で「completing the square」という。

\[ ax^{2}+bx+c=a\left(x+\frac{b}{2a}\right)^{2}-\frac{b^{2}-4ac}{4a} \] ここで $D=b^{2}-4ac$ とおくと \[ ax^{2}+bx+c=a\left(x+\frac{b}{2a}\right)^{2}-\frac{D}{4a} \]

上の右辺、すなわち二次式 $a(x-p)^{2}+q$ を平方完成という。ここで $D=D=b^{2}-4ac$ を関数 $y=ax^{2}+bx+c$ の判別式という。

平方完成は次のように導く。

[
ax^{2}+bx+c\
=a\left(x^{2}+\frac{bx}{a}\right)+c\
=a\left(x^{2}+2\frac{b}{2a}x\right)+c\
=a\left{x^{2}+2\frac{b}{2a}x+\left(\frac{b}{2a}\right)^{2}-\left(\frac{b}{2a}\right)^{2}\right}+c\
=a\left{\left(x+\frac{b}{2a}\right)^{2}-\left(\frac{b}{2a}\right)^{2}\right}+c\
=a\left(x+\frac{b}{2a}\right)^{2}-a\left(\frac{b}{2a}\right)^{2}+c\
=a\left(x+\frac{b}{2a}\right)^{2}-\frac{b^{2}}{4a}+c\
=a\left(x+\frac{b}{2a}\right)^{2}-\frac{b^{2}}{4a}+\frac{4ac}{4a}\
=a\left(x+\frac{b}{2a}\right)^{2}-\frac{b^{2}-4ac}{4a}
]

具体例を考える。

$(1)$
[
x^{2}+6x+14\
=x^{2}+2\cdot{3}\cdot{x}+14\
=x^{2}+2\cdot{3}\cdot{x}+3^{2}-3^{2}+14\
=(x+3)^{2}-3^{2}+14\
=(x+3)^{2}+5
]

$(2)$
[
x^{2}-8x+5\
=x^{2}-2\cdot{4}\cdot{x}+5\
=x^{2}-2\cdot{4}\cdot{x}+4^{2}-4^{2}+5\
=(x-4)^{2}-4^{2}+5\
=(x-4)^{2}-11
]

$(3)$
[
2x^{2}+12x+9\
=2(x^{2}+6x)+9\
=2(x^{2}+2\cdot{3}\cdot{x})+9\
=2(x^{2}+2\cdot{3}\cdot{x}+3^{2}-3^{2})+9\
=2(x+3)^{2}-3^{2}+9\
=2(x+3)^{2}
]

平方完成の意味

$y=a(x-p)^{2}+q$ のグラフの頂点は $(p,\ q)$ となる。すなわち

$y=ax^{2}+bx+c$ の頂点は \[ (-\frac{b}{2a},\ -\frac{b^{2}-4ac}{4a}) \] である。特に $y=ax^{2}+bx+c$ の軸は \[ x=-\frac{b}{2a} \] である。

平方完成によってグラフの頂点が求まる。

例えば先の平方完成の例から $x^{2}-8x+5$ の頂点は $(4,\ -11)$ であるとわかる。

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[su_tab title="計算問題"]

1次の式を平方完成しなさい。

$(1)$ $x^{2}+12x+40$

$(2)$ $x^{2}-8x+15$

$(3)$ $3x^{2}+6x-4$

$(4)$ $\dfrac{1}{2}x^{2}+5x+3$

$(5)$ $-2x^{2}+4x-1$

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[su_spoiler title="解答" style="fancy"]

1

$(1)$ $(x+6)^{2}+4$

$(2)$ $(x-4)^{2}-1$

$(3)$ $3(x+1)^{2}-7$

$(4)$ $\dfrac{1}{2}(x+5)^{2}-\dfrac{19}{2}$

$(5)$ $-2(x-1)^{2}-3$

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[su_tab title="手書きの説明"]

平方完成は、最初は難しいかもしれませんが、慣れたらさくさく解けるようになります。公式を覚えようとせず、計算問題をどんどん解いてみましょう。

※「手描きの説明」は管理人が授業で使ったメモをもとに作られているため、前後関係が多少ちぐはぐしている部分がありますが、平方完成をじっくり学びたい方はこのページを最初に読むことをおすすめします。

平方完成(二次係数が1の場合)

平方完成1の1

プリントに書いてあるように、平方完成は一見とても難しいです。中学数学で最も難しい単元の一つで、つまづいても不思議ではありません。平方完成はグラフの移動や頂点の問題でよく出てくるため、必ずできるようにしましょう。

平方完成1の2

平方関数はいろいろパターンがありますが、まずは二次係数が1の問題を解けるようにします。当ページではこの問題のみを扱います。

平方完成1の3 Xの項が負の時も同じように解きます

以上、真ん中の項が正の場合を考えてみました。10を2で割った5をこねくり回します。

平方完成1の5 もう少しシンプルに解いてみます

以上、真ん中の項が負の場合を考えてみました。正の場合と同じように一次の項を半分してなんやかんやとこねくり回すのですね。

Xの係数が奇数の場合の平方完成はやや計算が複雑です

ちょっと途中経過を省いてみました。上のプリントが「わかる!」となったらもう大丈夫です。お疲れ様でした。

今まで意図的に一次係数を偶数にしてきましたが、今回は奇数です。奇数の場合、今まで通り半分にしてこねくり回そうとすると、分数が出てきてめんどくさくなります。

平方完成1の8

計算が少し複雑になっただけで、やり方はまったく変わりません。

二次係数(二乗の係数)が1の問題を解けるようにしましょう。ポイントは真ん中の係数を半分にすること。半分にした数を二乗した数を足して引くというクッションを置くことで、その後の因数分解がスムーズに進みます。

平方完成(二次係数が2以上の場合)

平方完成2の1 平方完成2の2 平方完成2の3 平方完成2の4 平方完成2の5 平方完成2の6 平方完成2の7 平方完成2の8 平方完成2の9

二次関数の頂点とグラフ

二次関数の頂点とグラフ

二次関数のグラフは中学生の時に習ったように山かおわんで、形はつまるところ二パターンしかありません。あとは山またはおわんのてっぺん(または底)の位置さえわかれば、グラフが完全にかけます。この山のてっぺん、またはおわんの底を頂点といいます。

予備知識:頂点と軸 二次関数頂点3 二次関数頂点4

グラフは平方完成、頂点の決定、グラフ化の三ステップで描きます。平方完成して出てきたカッコの中の数字と、カッコの外の数字が、頂点のX、Y座標になります。先ほど説明したように頂点さえわかれば、山またはおわんを描くことでグラフが完成します。

・平方完成
・頂点の決定
・グラフを描く

二次関数頂点5 二次関数頂点6

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