密度は、その物質が他の物質に比べて重いか、軽いかをしめす数量。
例えば金はアルミニウムよりも密度が大きい。つまり金とアルミニウムを同じ体積(容量)だけ集めたら、金のほうがアルミニウムよりも重いことになる。
密度は質量(重さ)を体積で割った値で定める。金は19.3g/cm3で、アルミニウムは2.7g/cm3であり、確かに金のほうが重いことがわかる。
金 19.3g/cm3
アルミニウム 2.7g/cm3
金は身の回りにある金属でもとりわけ重い(密度が大きい)。
固体の金属のみならず、気体でも密度は考えられる。例えば窒素は水素よりも密度が大きい。
すなわち同じ体積だけ窒素と水素を集めたら、窒素のほうが水素よりも重い。
具体的には、窒素を22.4リットル集めると28gになり、水素を22.4リットル集めると約2gになる。
22.4リットル集めたときの質量
窒素 28g
水素 2g
つまり窒素は水素の14倍も密度が大きい。
話を単純にするために気体の密度のみをあつかう。窒素と水素などをイメージしよう。
まず、モル質量は1mol当たりの質量、モル体積は1mol当たりの体積である。標準状態での気体のモル体積は22.4リットル。
モル質量は、物質が6.02×1023個集まったときの質量だが、これは周期表の各元素の原子量が参考になる。
周期表の窒素を見ると14と書いてある。窒素原子が6.02×1023個集まると14gになる。単位は必ずg(グラム)。
よって窒素分子(窒素原子が2個くっついたもの)が6.02×1023個集まると28gになる。すなわち1molの質量は28gである。
同様に水素原子の原子量は1なので、水素分子の1molの質量は2gになる。
1molとは6.02×1023個のこと。いちいち6.02×1023個と書くのもわずらわしいため、化学ではこれを1molという。
モル質量とは、その物質が6.02×1023個集まったときの質量。
モル体積とは、その物質が6.02×1023個集まったときの体積。窒素や水素などの気体の場合、これは22.4リットルになる。
ただしこの22.4リットルという値は0°、1.01Paにおいての値。気体は温度と圧力(気圧)によって体積が大きく変わるので、0°、1.01Paと条件を定めて体積をはかる。
密度は質量を体積で割ったものだった。モル質量とモル体積を使って密度を表すと
密度=モル質量/モル体積
となる。つまり
密度=質量/体積=モル質量/モル体積
である。
そもそもモル質量は6.02×1023個の質量、モル体積は6.02×1023個の体積だった。
モル質量=分子1個当たりの質量×6.02×1023個
モル体積=分子1個当たりの体積×6.02×1023個
となるから
モル質量÷モル体積
=(分子1個当たりの質量×6.02×1023個)÷(分子1個当たりの体積×6.02×1023個)
=分子1個当たりの質量÷分子1個当たりの体積
となり、モル質量÷モル体積は密度になることがわかる。