最大の敵は自分自身である|アラン「幸福論」

アラン(エミール・オーギュスト・シャルティエ、1868-1951、フランスの哲学者)の「幸福論」(宗左近、中央公論新社、2016、以下「幸福論」と記す)は93編のエッセイ集です。今回はその67「汝自身を知れ」を考察します。

エッセイの結論は次の2つです。

占い師は人を導く

エッセイの前半で占い師が出てきます。占い師は困っている人にうまい言葉をかけて、その人をある方向に導きます。占い師が金を稼いでいることは、人が自分を導くものを求めていることの裏返しです。

占い師はソクラテスの時代からいました。当時の巫女(シビュラという)はデルフォイの神殿で、神からの助言を人びとに与えていました。これを神託といいます。

数ある神託で最も有名なものが「ソクラテスより賢い人はいない」という言葉です。ソクラテスはこの言葉を疑い、やがて無知の知という考えにいたりました。

このエッセイだけを読むと「だから何?」という印象を受けてしまうかもしれませんが、前後のエッセイもふまえて説明を足すと、占い師に頼ることは優柔不断の人が陥る不幸だということです(筆者の解釈)。

自分の敵は自分である

一般にだれもが自分には敵があると考えている。だが、そう思いこんでいるだけの話だ。…むしろ人が敵を養成するのが普通だ。
「幸福論」p207

人は、自分に敵意をもっている人をつくることに全力を尽くします。「あの人は自分を嫌いである。なぜなら…」と理論を展開し、敵が敵である根拠を城のように築きます。

もちろんその人が本当に自分を嫌っていることもあるでしょう。しかし私たちが思っている以上に、その人は自分をしつこく嫌っていないのです。あの人は敵だと思っているとき、自分がその人を敵にしているのです。

目次(アラン「幸福論」)

概要
37. 夫婦(夫婦関係を悪化させない方法)
38. 倦怠(怠け者は行動しない)
67. 汝自身を知れ(最大の敵は自分である)
78. 優柔不断

参考文献

アラン「幸福論」(宗左近、中央公論新社、2016)

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