球の体積と表面積(公式と計算問題と証明)

中学一年生は三学期で球の体積と表面積を習います。公式を確認し、練習問題を解いてみよう。

球の半径を $r$ とすると、体積と表面積は以下のように求めます。

球の体積と表面積

体積  $\displaystyle V = \frac {4 \pi r^3}{3}$  (「身の上心配アール3乗」と覚える)
表面積 $\displaystyle S = 4 \pi r^2$  (「心配アール2乗」と覚える)

計算問題(中1数学)

1

(1) 半径 $1cm$ の球の体積と表面積は求めなさい。

(2) 半径 $2cm$ の球の体積と表面積は求めなさい。

(3) 半径 $3cm$ の球の体積と表面積は求めなさい。

(4) 半径 $4cm$ の球の体積と表面積は求めなさい。

(5) 半径 $6cm$ の球の体積と表面積は求めなさい。

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[su_spoiler title="解答" style="fancy"]

1

(1)
体積  $V=\dfrac{4 \pi 1^3}{3}=\dfrac{4 \pi}{3}cm^3$

表面積 $S=4 \pi 1^2=4 \pi cm^2$

(2)
体積  $V=\dfrac{4 \pi 2^3}{3}=\dfrac{32 \pi}{3}cm^3$

表面積 $S=4 \pi 2^2=16 \pi cm^2$

(3)
体積  $V=\dfrac{4 \pi 3^3}{3}=36 \pi cm^3$

表面積 $S=4 \pi 3^2=36 \pi cm^2$

(4)
体積  $V=\dfrac{4 \pi 4^3}{3}=\dfrac{256 \pi}{3}cm^3$

表面積 $S=4 \pi 4^2=64 \pi cm^2$

(5)
体積  $V=\dfrac{4 \pi 6^3}{3}=288 \pi cm^3$

表面積 $S=4 \pi 6^2=144 \pi cm^2$

※半径 $3cm$ の球の体積と表面積は等しい。覚えておくと便利です。

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補足

上の練習問題で、半径が $1cm$ と $2cm$ における体積を比べるとちょうど8倍になっています。また表面積は4倍になっています。

・半径が2倍になると、体積は8倍になる。
・半径が2倍になると、表面積は4倍になる。

同様に

・半径が3倍になると、体積は27倍になる。
・半径が3倍になると、表面積は9倍になる。

なぜこのようになるか、考えてみましょう。

球の体積は球をすっぽり包む円柱の $\frac{2}{3}$ 倍

半径 $r$ の球がちょうど収まる円柱を考えます。これは半径 $r$ の円を底面とする、高さが $2r$ の円柱です。缶詰の中に野球ボールがあるようなイメージです。実はこの野球ボールの体積は缶詰の体積の $\dfrac{2}{3}$ 倍です。

円柱の体積 $\pi r^2 \times 2r = 2 \pi r^2$
球の体積  $\dfrac{4 \pi r^3}{3}$

であり、$\dfrac{4 \pi r^3}{3}=2 \pi r^2 \times \dfrac{2}{3}$ となります。

球が円柱の $\dfrac{2}{3}$ 倍であるという事実は昔から知られていました。

球の体積が $\frac{4 \pi r^3}{3}$ である証明

ここからは高校以上の内容になります。球は半円を(直径を軸として)回転させた図形です。ここでは球を単位円の上半分、すなわち $y=\sqrt{1-x^2}$ を $x$ 軸を軸として回転させた図形と考えます。

球の体積を $V$ と書くことにすると

\begin{eqnarray}
V&=&\int{-1}^{1}\pi(\sqrt{1-x^2})^2dx \
&=&\pi\int
{-1}^{1}(1-x^2)dx \
&=&\pi\left[x-\frac{x^3}{3}\right]_{-1}^{1} \
&=&\frac{4 \pi r^3}{3}
\end{eqnarray}

球の表面積が $4 \pi r^2$ である証明

球の表面積は球の体積から求められます。やや感覚的な議論になりますが、立体図形を理解する上で重要なポイントが出てきます。

球を「球の中心を頂点とする円錐」の集まりとみなすと、球の体積は球の表面積に半径をかけて $3$ で割った値になります。なぜなら円錐の体積は底面と高さをかけて $3$ で割って求めるからです。

球の体積は $\frac{4 \pi r^3}{3}$ であるため、球の表面積を $S$ とすると $S\times{r}\div{3}=\frac{4 \pi r^3}{3}$ となり、$S=4 \pi r^2$ という公式が導かれます。

なおこの考え方は立方体にも通用します。立方体の半径を $r$ とすると

立方体の体積  $r^3$
立方体の表面積 $6r^2$

となります。一方、立方体は「立方体の中心を頂点、立方体の各面を底面とする四角錐」に分割できることから、立方体の体積は立方体の表面積に $\dfrac{r}{2}$ をかけて $3$ で割った値になるはずです。

$6r^2 \times \dfrac{r}{2} \div 3=r^3$

となりもともとの値と一致しました。

以上から立体図形の体積 $V$ と表面積 $S$ は

[
V=\frac{1}{3}Sr
]

という関係にあることがわかります。ここで $r$ はその立体の面と中心の距離です。この公式は球の体積と表面積の関係性を一般化した公式であり、 $3$ 次元の立体の本質を示しています。この公式の係数 $\dfrac{1}{3}$ の $3$ は $3$ 次元の $3$ です。

大学数学では $4$ 次元以上の多次元の体積を扱うことがありますが、上の公式はさらに次のように一般化されます。

$n$ 次元の対称的な図形について、その体積 $V$ と表面積 $S$ は

[
V=\frac{1}{n}Sr
]

となります。$3$ 次元で正しいことは球の体積と表面積の議論から証明されましたが、$2$ 次元でも正しいことを証明しておきます。大学数学では$2$ 次元図形の体積は面積、表面積は周囲の長さに相当しますが、円の面積は $\pi r^2$、円のまわりの長さは $2 \pi r$ であり

[
\frac{1}{2} \times 2 \pi r \times r=\pi r^2
]

となり、上の一般的な公式が成り立つことがわかります。

「表面積」と「表面と中心までの距離」をかけて「次元数」で割ると「体積」が求まる。

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