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レシチンとコレステロール(リン脂質とステロール)

レシチンはリン脂質という脂質で、細胞膜などの主成分。コレステロールはステロールという脂質で、いわゆる「脂質」に近い。

レシチン → リン脂質
コレステロール → ステロール

リン脂質

リン脂質の多くは

・グリセリンまたはスフィンゴシン
・脂肪酸×2
・リン酸

が結合した物質。グリセリンまたはスフィンゴシンが構造の中心である。

グリセリンを中心骨格とするリン脂質をグリセロリン脂質、スフィンゴシンを中心骨格とするリン脂質をスフィンゴリン脂質という。レシチンはグリセロリン脂質。

ステロール

ステロールには

・コレステロール
・ビタミンD
・ステロイドホルモン

などがある。コレステロールはしばしば健康を損ねると宣伝されるが、生体膜を構成する生体物質でもある。ステロイドホルモンは脂溶性ホルモンであり、細胞膜を通過して転写因子に結合できる。

レシチン

レシチンは卵黄や大豆の豐富に含まれる成分。親水基と疎水基を持ち、生体膜のリン脂質二重層を構成する。

レシチンは、卵黄から抽出される卵黄レシチンと、大豆から抽出される大豆レシチンがある。

・卵黄レシチン
・大豆レシチン

コレステロール

ステロールの一種であるコレステロールは、動物の細胞膜に多く存在する。植物または原核生物にはほとんどない。

動物の細胞はコレステロールは合成できるが、細胞内のコレステロール量はおおむね一定。

メモ

※以降、レシチンとコレステロールというよりはリン脂質とステロールの説明です。

グリセロリン脂質

リン脂質の一種であり、グリセリン+脂肪酸+脂肪酸+リン酸という構造をとる。全体的には、親水性の頭に疎水性のしっぽが2本ついているイメージ。

リン酸部分はさらに何かが結合することが多い。リン酸にコリンが結合した物質をホスファチジルコリンという。

リン酸に結合する物質 リン脂質の名称
コリン ホスファチジルコリン
エタノールアミン ホスファチジルエタノールアミン
グリセロール ホスファチジルグリセロール
ホスファチジルグリセロール カルジオリピン

ホスファチジルグリセロールはしばしばPGと略される。このホスファチジルグリセロールが2つ、グリセロールを中心として結合した物質がカルジオリピン。カルジオリピンはミトコンドリア脂質内膜などに存在する重要な物質であり、近年活発に研究されている。

呼吸の機序においてシトクロムCとカルジオリピンが結合する。

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