高校生物のおすすめ参考書と問題集と知識・理論問題の効率的な勉強法

高校生物を初めて習う人からセンター生物、中堅私大理系の生物対策までに必要な参考書と問題集を紹介します。市販に出ている30冊以上の中から厳選しました。

ニューステージ新生物図表(浜島書店)

化学と生物は図表を見ながら勉強すると理解が深まります。文章だけを読むのと、図を合わせて読むのとでは効率も大きく変わってくるため、教科書だけ(あるいは問題集だけ)を使うのでなく、必要に応じて図表を使うことを強くおすすめします。ニューステージ新生物図表は高校生物の数ある図表の中でもとりわけ詳しく、図以外の解説も豊富です。教科書レベルから国立・私大医学部レベルまでカバーできる最高の図表と言っていいでしょう。

またニューステージ新生物図表には記述対策用の問題を巻末に用意しています。これは知識の総まとめと記述対策としてかなり使えます。

生物知識の焦点(Z会出版)

市販参考書の中では最も体系的です。表紙も中身も構成も予備校の教材のようにシンプルですが、やや分厚いのが少し難点。全体として辞書的に使いたい人、だらだらとした説明が苦手な人におすすめです。

教科書プラスアルファレベルで主に中級者以上におすすめですが、教科書よりコンパクトな感じには慣れる必要があるでしょう。

生物重要問題集(数研出版)

理系学部を目指す人であれば誰でも知っている重要問題集ですが、生物においても推奨教材になります。重要問題集はそれほど問題数が多くないため、二ヶ月ほどで一周目を終わらせて、三~五周くらいくりかえし解くといいかもしれません。管理人自身三周ほど解いて、さらにわからない問題はそれ自体を暗記するくらいまで何度も解きましたが、そうする過程で自分の苦手なところを見つけて、弱点を克服することができるようになります。重要問題集は生物問題集の中では最初にとりかかるべき教材と言えます。

生物記述・論述問題の完全対策(駿台文庫)

高校生物必須の問題集 生物記述・論述問題の完全対策(駿台文庫)の評価と使い方でも紹介していますが、大学受験の生物記述対策の代表的な問題集です。中級者以上向けで、知識を問う記述問題が数多くそろっています。ポイントと要点が問題ごとに整理されているため使いやすい。

ただしこれ一冊で記述対策は万全というわけではなく、実験問題など思考を問うような記述・論述問題はありません。

高校生物の勉強法を考えるための背景知識

参考書・問題集と勉強法は切っても切れないテーマであるため、高校生物の勉強法についてここで触れておきます。

高校生物は次の特徴を持っています。

  1. 合いそうで合わない、合わなそうで合う
  2. 知識と実験で問題の性質がまったく異なる
  3. 物理ほど癖はないが、化学より癖はある
  4. 物理と化学より要求される知識量が圧倒的に多い
  5. 分野が基本的に独立している
  6. 分野ごとに得意不得意が分かれる
  7. 物理や化学以上に大学別対策が必要
  8. 物理選択者に比べて時間的に不利

「◯◯って楽しいな~」という気軽な気持ちで選択し、後で後悔する可能性の高い科目が生物と世界史です。生物は見かけによらず、癖のある難しい学問。生物は勉強すればするほど違う側面が出てきますが、だからこそ「合いそうで合わない」「合わなそうで合う」ということが後で何度も起きます。

また生物の問題は単純な知識問題から論述問題までバラエティが豊富で、大学・学部によって傾向がかなり違ってきます。センター生物と私大は当然のこと、私大でも理学部と医学部ではかなり違います。

そして一番重要な問題はその膨大な情報量と物理に対して不利である点です。物理は物理が好きな人にとって①覚える量が圧倒的に少ない、②理解しなければいけない事項が少ない、③一を理解すると十がわかる(解ける)というボーナス科目ですが、生物はその真逆です。覚える量、理解しなければいけない事項が圧倒的に多く、一を理解しても十が解けるわけではない。また物理は大学別の特色がそれほど出ないため、例えば東大の対策をしておけば京大にも私大にもかなり通用しますが、生物はそうとも限りません。

ちなみに医学部受験生の七割以上は生物でなく物理を選択します。これをどう受け止めるでしょうか?

高校生物の理想的な勉強法(知識編)

生物を選択した時点で物理を選択した人に(下手をすると)年間200~300時間以上の差をつけられます。物理が得意な人は1週間(1日ではない)に1~2時間程度の勉強で偏差値70~80を維持できるからです。一方の生物は毎日勉強しないと記憶が次から次へと抜けてくる。

そこで生物は学校の授業時間を徹底的に有効活用する必要があります。学校の授業時間はすべての学生が同じように過ごします。ここで差をつけるのです。生物の知識の習得は学校の授業ですべて終わらせるのです。例えば学校の授業でホルモンを勉強したとします。そこで一つか二つのホルモンしか扱わなかったとします。それでも授業中に資料集を読むなどして、先生の講義以上の情報を積極的に仕入れる。こうした努力の積み重ねによって物理選択者との差を確実に埋めていきましょう。

知識の入れ方は二つの注意があります。一つ目は細かさ。一部大学の医学部など細かい知識を問う大学はありますが、まずは知識に優先度をもうけて出やすいものから覚えます。最初からすべてのアミノ酸の構造式を覚える必要はありません。二つ目は流れの整理。遺伝子や生殖などは知識の流れが存在し、それをうまくつかむと一を聞いて三を理解することができます。

以上より上にあげたZ会出版の『知識の焦点』が推薦参考書として出てきます。本書はすべての事項に優先度がきちんと記されており、何が重要で何がそれほど重要でないか一目瞭然です。

授業時間を徹底的に有効活用。知識は優先度の高いものから、流れを追うように。

なお知識のアウトプット、すなわち問題演習は記述・論述問題と一緒に行うと効率がいいです。

高校生物の理想的な勉強法(理論編)

生物は実験から推論させるような問題をしばしば出します。大学によってはこちらがメインになり、センターでも三割以上が理論問題です。つまりセンター生物は知識がほとんどなくても10~20点はとれてしまうのです。

生物の理論問題は現代文のように日本語読解力と論理的思考力を要求します。東大の生物を見ればわかるように問題文がそもそも多く、実験の全容を理解するだけでも大変で、日本語読解力は当然必要になります。その上で問題を処理する力が試されます。

生物の理論問題はこれというパターンや法則がありません。問題ごとに解き方が変わってくる。そこが生物の難しいところ。物理や化学はある程度のパターンが存在し、それに沿って解くだけでどうにかなりますが、生物はそうはいきません(とはいえ大学によってこれも変わります。理論問題の質自体も大学によって差がかなりあるのが事実)。センターの理論問題につまづく方もいらっしゃいますが、そのくらい生物は癖のある科目なのです。

日本語読解力は現代文に委ねるとして、問題は論理的思考力です。これは一朝一夕に伸びませんが、生物の理論問題だけでなく中学入試の算数ないし理科の問題を解くと効果的かもしれません。中学入試問題は論理力を鍛える最高の教材です。また討論やディベートも論理的思考力を養ういい勉強です。

生物からやや離れてしまうのは嫌だという方は、生化学系の科学記事を読んでください。実験をもとに何か結果を出していますが、その研究の流れを整理するのです。なぜこの実験からこの結果が導かれるのかをよく考える。専門用語に苦戦すると思いますが、非常にいい勉強になります。

なお生物の問題を大量に解けば理論問題が解けるようになるということはありません。量でなく質が問題であり、わからない問題が出てきたら「なぜわからないか?」「問題の何が重要か?」といった反省に時間を割き、一問一問を丁寧に処理してください。反省のない勉強を続けても点数は絶対に上がりません。生物ではそれが顕著に出ます。

生物の理論問題は日本語読解力と論理的思考力が必要。論文を読むなどして論理力を養う。わからない問題は丁寧に見直す。