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高校化学のおすすめ参考書・問題集とその使い方

高校生と大学受験生におすすめの参考書と問題集をまとめました。化学はあっちこっち手を出すと効率が悪く、これと決めた数冊に絞って勉強するべき科目です。参考書と問題集は買う前によく調べてください。

目次

おすすめ ★★★★★
ニューステージ化学図表(浜島書店)
必携入試化学百科(学研)
2016実践化学重要問題集

おすすめ ★★★★
化学(化学基礎 化学)基礎問題精講(旺文社)
化学(化学基礎
化学)標準問題精講(旺文社)
岡野の化学が初歩からしっかり身につく「無機化学+有機化学(1)」

おすすめ ★★★
化学の新標準演習
有機化学演習 (駿台受験シリーズ)

おすすめ ★★
有機化学-原点からの化学(駿台受験シリーズ)

高校化学を3ヶ月で習得する必殺勉強法(ある程度化学がわかる人向け。化学重要問題集を使い倒す)

ニューステージ化学図表(浜島書店)

これを買わずして何を買うという化学で最も必要な参考書。図表は定期テストでも受験でも必須です。ほとんどの学校では配られますが、配られていないという方はすぐに手に入れましょう。

化学はたくさんの化学反応を覚えなければいけませんが、反応式だけを見て覚えるのはとても効率が悪く、『あれなんだっけ…思い出せない…!』という状態からいつまで経っても抜け出せません。図表の実験を見て、その映像から反応を覚えることが化学上達の近道です。

必携入試化学百科(学研)

出版されたばかりの新しい本で、Amazonの評価は2016年2月現在ありません。初めて化学を学ぶ方、基本をしっかり身につけたい方にとって最適な参考書になるでしょう。かなり分厚いため量がとても多い印象を受けますが、フォント、式、図が他参考書に比べてやや大きく、余白をいちいちもうけているので想像するほど量はありません。

解説と例題の説明がわかりやすく、さくさく読み進められる良書です。『高校これでわかる化学基礎 (高校これでわかる新課程版)』、三省堂の『化学Ⅰ Ⅱの新研究-理系大学受験』、旺文社の『総合的研究化学(化学基礎 化学)』よりわかりやすく、勉強しやすいと思います。

2016実践化学重要問題集

高校化学のバイブル的な問題集。厚さはそれほどなく、各単元に知識をまとめたページがついている。これ1冊で受験を乗り切ってほしいと言わんばかりに問題数は多く、使い方次第で効率に差が出てしまう。

難易度はやや高く、中堅私大から東大まで対策できます。教科書レベルの知識を理解していないと解説を読んでもわからない可能性があり、この点で人をかなり選びます。目安としてセンター試験は最低50点とれないとうまく進められないでしょう。

理論、無機、有機のバランスはとれていますが、医学部受験生に必要な生命科学的問題はほとんどないため、別に対策する必要があるでしょう。知識問題、計算問題、記述問題もそろっており、これ1冊をくりかえし解くだけで相当力がつくはず。

重要問題集はシンプルさを追求している側面があり、解説は充実していると言いがたいですが、それこそが本書の最大のメリットです。化学はある程度知識がついて問題の癖がわかってくると、余計な解説がなくても最低限の説明ですむようになりますが、本書はそのような受験生にとって時間的な効率がいいと言えます。

化学(化学基礎* 化学)基礎問題精講(旺文社)

フォントとデザインがやや人を選ぶものの、中身は良書中の良書。ページの途中から問題が始まることがなく、ページ送りにストレスがない。また下にあげる『化学の新標準演習(三省堂)』のように問題数が多すぎて嫌になることもない。他の化学問題集と比較して問題数は少ないほうです。

難易度は基本から標準レベル。化学を初めて学ぶ人にとって最適な問題集でしょう。化学をすでに理解している人は物足りない印象を受けると思いますが、それは化学がある程度わかる人にとって本書はふさわいい本でないからです。

本書は定期テストでいい点をとり、さらにワンステップ上を目指したい高校二年生におすすめです。

化学(化学基礎* 化学)標準問題精講(旺文社)

基礎問題精講と同様、フォントとデザインがやや人を選ぶものの、ページの途中から問題が始まることがなく、ページを行ったり来たりするようなストレスがない。厚さもそこそこ薄く非常に使いやすい。中堅私大以上の大学を目指すすべての受験生におすすめしたい問題集。

標準というタイトルですが、教科書レベルでは決してありません。基礎問題精講が八割以上解けるレベルにならないとうまく進められないでしょう。

岡野の化学が初歩からしっかり身につく「無機化学+有機化学(1)」

Amazonなどで高評価の参考書。化学を初めて学ぶ人を対象に書かれており、酸化還元反応や有機化合物の構造などつまづきやすい点を非常にわかりやすく解説しています。化学が苦手な人にぜひおすすめしたい一冊です。

手書きのようなフォントも混じっており、やわらかいデザインを好む人にとってうってつけでしょう。全体としてさくさく読み進められるため、苦手意識を持つことなく化学を体系的に学ぶことができると思います。入試で要求される細かい知識はそれほど書かれておらず、物足りない感想を持つ人もいるかもしれない。

化学の新標準演習(三省堂)

基本レベルの問題が大量につめこまれており、難しめの定期テスト対策にはもってこい。解説はかなりわかりやすい。各単元を丁寧に仕上げたい人にとってはバイブルになるかもしれない。しかし以下のような短所があります。

  • かなり分厚くやりづらい
  • チャート式と同様問題数が多すぎる
  • 化学を得意とする人にとって解説はややしつこい

以上から問題集としての使い勝手は人によって大きく変わります。Amazonなどの評価は高いですが、それだけで買うのでなく、自分の理解度と性格に合うか合わないかよく考えたほうがよさそうです。

以下のような人にはおすすめできない。

  • 分厚い問題集は嫌だ
  • さくさく進めたい
  • 時間がない
  • 化学の基本はすでに理解している
  • 化学は得意なほうだ

逆に以下のような人にはおすすめできます。

  • 時間にゆとりがある
  • 一つ一つ丁寧に仕上げたい
  • 化学の基本をこれから身につけたい

有機化学演習 (駿台受験シリーズ)

管理人が高校生時代に使っていた有機化学の問題集。有機化学の基本をある程度理解し、比較的難しい問題も難なくクリアしてきた人におすすめ。

駿台文庫は旺文社の基礎問題精講などと違って問題がページの途中から始まったり、ページをまたいだりと不便なスタイルをとっていますが、この本も同様にやや使いづらい印象を受けます。本書はとりわけ厚さが薄く、本が自然に開いたままにならない。

難易度は高く、ここまでやる必要があるかと疑問を持つ問題も一部含まれています。もちろんすべて解いてすべてできるようになるにこしたことはありませんが、本書に手をつけるのは過去問対策が十分に終わった後でいいでしょう。化学は『手間のかからない』ことが売りで、過去問対策が終わっていないのに本書にとりかかるのは本末転倒かもしれない。

有機化学-原点からの化学(駿台受験シリーズ)

上位校を狙っている化学が好きな人におすすめできる有機化学の参考書。しかしそれ以外の人にはおすすめできない。有機化学を学んで間もない人、化学以外の科目で忙しい人は避けるべきでしょう。受験実用書としては効率が悪く、大学受験の化学には不向きと言えます。

化学を初めて学ぶ人、化学が苦手な人におすすめの参考書と問題集

  • ニューステージ化学図表(浜島書店)
  • 岡野の化学が初歩からしっかり身につく「無機化学+有機化学(1)」
  • 化学(化学基礎* 化学)基礎問題精講(旺文社)

このセットで定期試験は突破できると思います。『岡野化学』を参考書として中心的に扱い、適宜図表を見る。そして基礎問題精講で理解度を確かめる。といったやり方で点は必ずついてきます。くりかえしになりますが、化学はあっちこっちに手を出しているといつまで経っても伸びません。これと決めた数冊に絞り、完全マスターを心がけて地道に勉強することが最短ルートです(図表は完全マスターする必要ありません)。

化学をある程度わかっている、中堅私大を目指している人におすすめの参考書と問題集

  • ニューステージ化学図表(浜島書店)
  • 化学(化学基礎* 化学)標準問題精講(旺文社)
  • 2016実践化学重要問題集
  • 目指している大学の過去問

参考書は図表のみ。基本がある程度わかった段階で参考書は放り投げて結構で、わからない知識は図表と問題集の解説から仕入れるようにしましょう。参考書に頼る勉強は知識レベルが上がるにつれて非効率的になってきます。

問題集は二冊(標準問題精講と重要問題集)のうちどちらか。どちらでも構いませんが両方ともやる必要はありません。時間効率を求めたい人は標準問題精講でいいと思います。問題集を解き終わったら速やかに目標大学の過去問を解きましょう。

東大などの上位校を目指している人におすすめの参考書と問題集

  • ニューステージ化学図表(浜島書店)
  • 2016実践化学重要問題集
  • 目指している大学の過去問

実践化学重要問題集を中心に勉強します。重要問題集は細かい知識とテクニックを網羅しているため、これ一冊でいいところまでいきます。足りない知識は図表で補い、重要問題集を解き終わったらすぐに過去問に移りましょう。

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