古文 助動詞の接続まとめ
助動詞とは、用言(動詞、形容詞、形容動詞)または体言(名詞)の後に付いて、「打消」「過去」「推量」といった意味を加える言葉。
例えば「語らず」(訳:語らない)という言葉は「語ら」+「ず」であり、「ず」は助動詞、「語ら」は「語る」の未然形である。「ず」は打消を表す助動詞で未然形に接続する。
「語らず」=「語ら」+「ず」(未然形+「打消」の助動詞)
「ず」は用言の未然形に接続し、他の活用(連用形など)には接続詞ない。「ず」の未然形接続のように、助動詞がどの活用に続くかは文法上決められており、これを助動詞の接続という。
助動詞の接続例
「き」「む」「べし」の例を考えよう。それぞれの接続は連用形、未然形、終止形である。
き … 連用形接続(過去)
む … 未然形接続(推量)
べし … 終止形接続(命令)
- 「思ひき」=「思ひ」+「き」(「思ふ」の連用形+「過去」の助動詞)
- 「待たむ」=「待た」+「む」(「待つ」の未然形+「意志」の助動詞)
- 「書くべし」=「書く」+「べし」(「書く」の終止形+「命令」の助動詞)
未然形接続の助動詞
助動詞 | 意味 |
---|---|
る | 自発・可能・受身・尊敬 |
らる | 自発・可能・受身・尊敬 |
す | 使役・尊敬 |
さす | 使役・尊敬 |
しむ | 使役・尊敬 |
ず | 打消 |
む | 推量・意志・勧誘・仮定・婉曲 |
むず | 推量・意志・勧誘・仮定・婉曲 |
じ | 打消推量・打消意志 |
まし | 反実仮想・ためらい意志・推量 |
まほし | 希望 |
- 「給はず」=「給は」+「ず」(「給ふ」の未然形+「ず」の終止形)
連用形接続の助動詞
助動詞 | 意味 |
---|---|
き | 経験過去 |
けり | 伝聞過去・詠嘆 |
つ | 完了・強意 |
ぬ | 完了・強意 |
たり | 完了・存続 |
けむ | 過去推量・過去原因推量・過去伝聞婉曲 |
たし | 希望 |
- 「ありけり」=「あり」+「けり」(「あり」の連用形+伝聞過去の「けり」)
- 「去りぬ」=「去り」+「ぬ」(「去る」の連用形+完了の「ぬ」)
終止形接続の助動詞
助動詞 | 意味 |
---|---|
らむ | 現在推量・現在原因推量・現在伝聞婉曲 |
べし | 推量・意志・可能・当然・命令・適当 |
まじ | 打消推量・打消意志・不可能・打消当然・禁止・不適当 |
なり(伝聞推定) | 伝聞・推定 |
めり | 推定・婉曲 |
らし | 推定 |
「なり」は断定を表す「なり」と伝聞推定を表す「なり」の二種類がある
- 「見るらむ」=「見る」+「らむ」(「見る」の終止形+現在伝聞の「らむ」)
連体形・体言接続の助動詞
助動詞 | 意味 |
---|---|
なり(断定) | 断定・存在 |
「なり」は断定を表す「なり」と伝聞推定を表す「なり」の二種類がある
連体形・助詞「が」「の」接続の助動詞
助動詞 | 意味 |
---|---|
ごとし | 比況 |
サ変未然形・四段已然形接続の助動詞
助動詞 | 意味 |
---|---|
り | 完了・存続 |
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