密度の公式と水、氷、金属の密度(浮く、沈むの問題)
密度とは、物質の重さそのものではない。大きければ重さは重くなり、小さければ重さは軽くなる。小さい鉄は大きい発泡スチロールよりも軽いかもしれない。
しかし鉄という物質は発泡スチロールという物質よりも本質的に重い。同じ体積であれば、鉄は発泡スチロールよりも重い。こうした「本当の重さ」を密度という。
正確にいうと、密度とは物質 1cm³ あたりの質量 g である。
密度の公式
密度(g/cm³)=質量(g)÷体積(cm³)
密度の単位に注意。質量と体積の単位は一般的に g と cm³ を使う。密度の単位は日本語でグラム毎立法センチメートルという。
密度の比較
鉄は体積のわりに重く、発泡スチロールは体積のわりに軽い。
鉄は発泡スチロールより密度が大きいため、同じ体積では発泡スチロールより鉄のほうが重いと感じる。下はこれまで出てきたさまざまな物質を密度の大きい順に並べたもの。
密度が大きい
↑
金
銀
銅
鉄
亜鉛
アルミニウム
水
ナトリウム
氷
カリウム
酸素
水素
↓
密度が小さい
この世で最も密度が小さい物質は水素。密度が大きい物質の多くは金属である。一般的に、常温で気体の物質は密度が小さく、常温で固体の物質は密度が大きい。
※常温とは20度くらいの温度のこと。
また、水の密度はほぼ 1g/cm³ である。プールに入ると体が浮くが、それは私たちの体が水よりも密度が小さいからである。
水と氷の密度
水は冷えて氷になると密度が下がる。
0° の水の密度 … 約 1.00 g/cm³
0° の氷の密度 … 約 0.92 g/cm³
同じ温度であるにもかかわらず、氷は水よりもかなり軽くなっている。氷のほうが水よりも密度が小さいため、水に氷を入れると浮く。
水と水銀に物質を入れる問題
氷は水よりも密度が小さいため、氷は水に浮く。水より密度が小さいものはすべて水に浮く。
水より密度が小さいものは浮く
水より密度が大きいものは沈む
水の密度を 1.00 g/cm³ として、次の物質は浮くかだろうか、沈むだろうか。
物質 | 密度( g/cm³) |
---|---|
鉄 | 8 |
カリウム | 0.9 |
金 | 19 |
アルミニウム | 3 |
スチレン | 0.9 |
(データは正確ではない)
解答
浮く…カリウム、スチレン
沈む…鉄、金、アルミニウム
同様に水銀の密度を 13.55 g/cm³ として、上の五つの物質は浮くだろうか、沈むだろうか。
これも同様に水銀の密度と各物質の密度を比較する。水銀に沈むものは金のみで、残りはすべて浮く。
プールで浮く方法
プールに入ると浮くが、浮き輪のようには浮かない。体の状態・姿勢によっては沈む場合もある。これは、私たちの体の密度と水の密度がとても近いからだ。
プールで浮くためには、体内の密度をできるだけ水よりも密度を小さくする必要がある。体内の密度を小さくするには、肺にできるだけ空気を入れる。水と比べると空気の密度はほぼ 0 に等しく、効率よく体内の密度を小さくできる。
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