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極限から微分係数を求める - 高校数学 2

$x^2$ の $(a,\ a^2)$ から $(a + h,\ (a + h)^2)$ までの変化は

$x: a \ \to \ a + h$
$y: a^2 \ \to \ (a + h)^2$

です.$x$ の変化量は $h$,$y$ の変化量は

\begin{split} (a + h)^2 - a^2 &= a^2 + 2ah + h^2 - a^2 \\ &= 2ah + h^2 \end{split}

だから,平均的な変化率は

\[ \frac{ 2ah + h^2 }{ h } = 2a + h \]

となります.

$(a + h,\ (a + h)^2)$ を $(a,\ a^2)$ に近づけると $h$ は $0$ に近づくため,平均変化率 $2a + h$ は最終的に $2a$ に収束します.

\[ 2a + h \to 2a \quad (h \to 0) \]

これを $(a,\ a^2)$ における微分係数といいます.微分係数とは平均変化率の収束値です.平均変化率は二点を結ぶ傾き,微分係数は点における接線の傾きを意味します.

例題

$x^2$ の $(5,\ 5^2)$ における微分係数を計算しなさい.

解説

$(a,\ a^2)$ における微分係数は $2a$ だから,$(5,\ 5^2)$ における微分係数は

\[ 2 \cdot 5 = 10 \]

です.

導関数

$x^2$ の $(a,\ a^2)$ における微分係数は $2a$ でした.$a$ を $x$ にした $2x$ は微分係数の変化をあらわす関数になります.これを $x^2$ の導関数といいます.

$y = x^2$ の導関数は $y^{\prime} = 2x$

導関数は $y^{\prime}$ とあらわします.

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