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シリコンバレー銀行の巻き添え?で暴落した Charles Schwab の財務諸表と未実現損益を調べた

この記事は個人の感想です。投資は自己責任で、Charles Schwab がいいと言うつもりはありません!

シリコンバレー銀行のせいで、いろいろな株が落ちました。Charles Schwab もその一つ。私はこの金融機関で投資アナリストをしている Liz Ann Sonders をフォローしているのもあって Charles Schwab はなじみ深い。

Charles Schwab は銀行と証券の両方をやっています。同社ウェブサイトによると顧客資産は $7.48 trillion(日本円で 900 兆円)で世界二位。一位は Vanguard です。この二つの証券会社(Brokerage)は規模があまりに巨大で、なにかあったら大変なことになります。

Charles Schwab の財務諸表を調べました。以下の書類は Charles Schwab の提出した Form 10-K です。単位は Million。

資産

重要なポイントは

  • Available for sale (AFS)
  • Held to maturity (HTM)

の比率。Available for sale は無理やり訳すと「売買可能証券」で、ざっくり言うと、流動的で売買できる証券のこと。これは期末日の公正価値で計上されます。取得価格との差額は未実現損益としてその他の包括利益に計上されます。

Held to maturity は満期保有の意味で、公正価値でなく償却原価法によって計上されます。シリコンバレー銀行はこの満期保有目的有価証券の割合が大きすぎたことも問題だったかも。Charles Schwab は AFS と HTM がだいたい同じ。

負債

負債の部の 60% ほどが銀行預金。これはバンク・オブ・アメリカもほぼ同じ。一方、シリコンバレー銀行は 80% が預金。つまり Charles Schwab はシリコンバレー銀行より預金の引きだしに強い。ちなみにJPMorgan の解説によると、シリコンバレー銀行の預金流出は、預金者が個人でなく法人に偏っていた。

下は Bank of America の最新決算書。

預金比率は Charles Schwab とほぼ同じ。シリコンバレー銀行が異質だとわかります。Charles Schwab の預金は大半が証券口座由来。

証券口座に眠っている金は株式などの購入に使われます。これが急速に減っていくことは、たぶん、現実として難しい。つまり預金引きだしパニックは起きにくい。

Investment Securities

HTM は公正価値でなく、償却原価が計上されるため、ここの未実現損益が重要になります。資産 551,772 のうち 173,074 は 15,580 の未実現損失をもっています。わかりやすく言うと「15,580 の含み損があるけど、資産に反映されていない」という感じ。

もっとくわしく見てみる。

やっぱり 10 年以上の債権で 10% 近くの損失がある。

結論

HTM の未実現損失は無視できないけど、シリコンバレー銀行に比べてかなり健全に見える。ブルームバーグの報道によると、JPMorgan によるブロック取引によって Charles Schwab の株価が急落した可能性がある。

シュワブが連日急落、SVB余波の銀行株安がブロック取引のみ込む

ソーシャルメディアでは、Charles Schwab の暴落について「なにか裏がある」とか「絶好の買い場!」とか活発に議論されています。そこまでおかしい財務体質に見えないけど、月曜日の夜までにもう少し調べて、「なんだよ、ただのまきぞえかよ!」とわかったら買うかもしれない。

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